バルトーク 弦楽四重奏曲 第1番 作品7 Sz.40

 当夜の終曲は、バルトークの弦楽四重奏曲 第1番。

動画はこちらです。

 しかし、この曲は生で聴かないと、共鳴が難しいかもしれません。

 バルトークの弦楽四重奏曲は全6曲。

 アメリカに移住する59歳以前に分布して書かれて、それぞれの時代の彼の内面を知るものです。

 第1番は、自己スタイルが確立されようとする時期の作。

 それゆえに同時期の後期ロマン派やフランスの印象派からの影響、このころからはじめた民俗音楽の収集・分析が混ざり合っています。

 しかし、バルトークを十分に感じさせる内容です。

 曲は3つの楽章からなり、それらは切れ目なく演奏されます。

 緩急交代ではなく、楽章を重ね、テンポが加速していくのです。

 それはバルトークが自己確立のために、彷徨と模索を経て、進むべき道を見出していくように感じるのです。

 彷徨の第1楽章、第2楽章で模索し、第3楽章では高らかに喜びの決意を叫び、迷いなく進んでいくようです。

 そして、この楽想はコロナ禍にある私たちとも重ならないでしょうか?

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