室内楽と20世紀以降の作品の入門に
この室内楽定期演奏会にはチェロの企画が多いので、「渡辺さんがチェロを嗜むからですか?」とよく問われます。
いえいえ、そうではありません。
チェロ音楽は、室内楽のビギナーに入りやすいからです。
弦楽四重奏という硬派な音楽を親しんでもらうために、年間の企画の中でチェロ音楽は良き潤滑剤になってくれるのです。
さらには20世紀以降の新しい作品を紹介する上で、チェロ作品はとても受容しやすいと感じております。
チェロの中低音域のあたたかい音色がそう導いてくれるのでしょうか?
これがヴァイオリンや弦楽四重奏ではそうはいかないような…。
私の趣味で年間企画を構成したら、オール弦楽四重奏になるでしょう。
弦楽四重奏のみのシリーズ演奏会は西日本では稀ですから、それはそれで、好きな方々や飢えている方々は集まってくれましょう。
しかし、入門の扉はこしらえておかねばです。
企画には理性が求められます。
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