W.A.モーツァルト 弦楽四重奏曲 第22番 変ロ長調 K.589《プロシア王》四重奏曲 第2番

スクリャービンの作品に《法悦の詩》という交響曲がありましたが、2曲目のモーツァルトの楽曲は法悦の四重奏曲という言葉がピタリです。

W.A.モーツァルト

弦楽四重奏曲 第22番 変ロ長調 K.589《プロシア王》四重奏曲 第2番

モーツァルトの最晩年、亡くなる1年と7か月前の曲です。

ピアノの弟子であるリヒノフスキーベルリンのプロシアを旅行。

当地の宮殿で御前演奏を行い、王であるフードリヒ・ヴィルヘルムⅡ世よりこの曲を含む6曲の弦楽四重奏曲集ほかの依頼を受けました。

タイトルはそれに由来します。

ところが、完成したのは3曲のみ。

しかも、困窮していたモーツァルトは王に献呈せずに、出版社に安値で売り払ってしまう。

やれやれです。


さらに、そのころは健康状態も芳しくなく、多作家での彼が書き上げた作品数はとても少なくあります。

そして、この曲から1年と7カ月後、彼は天に召されたのでした。

しかし、この作品は、同時期に書かれたクラリネット五重奏曲と同様、そうした実生活を感じさせない透明度の高い響きを聴かせ、繊細かつ法悦の音楽となっております。

特に第2楽章では恍惚に導かれて、よだれを垂らしてしまう方続出?

依頼者、ヴィルヘルムⅡ世はたいへんな音楽好きで、チェロを熱心に嗜んでいました。

そうした王の趣味に沿い、この曲集ではチェロが重要な主題をたくさん歌うことが大きな特徴です。

田中雅弘さんのチェロに乞うご期待!

チェロ・ファン必聴の1曲です。


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