F.J.ハイドン 弦楽四重奏曲 変ロ長調 作品76-4 Hob.Ⅲ:78《日の出》
当夜の前半はカザルスが愛した巨匠二人の作品をご堪能いただきます。
ハイドン、弟子のベートーヴェン。
師弟の2曲は驚くほど自然に繋がります。
それを体感するだけでも当夜に足を運ばれる甲斐ありです。
F.J.ハイドン
弦楽四重奏曲 変ロ長調 作品76-4 Hob.Ⅲ:78《日の出》
こちらがその動画です。
ハイドンは弦楽四重奏を拓いた一人。
夜会などを盛り上げる娯楽音楽で始め、芸術作品分野へと発展させ、自家薬籠中とするまでに突き詰めたのです。
当夜の《日の出》は、福岡発弦楽四重奏団がこれまでに上演した《皇帝》、《五度》とともに、彼の晩年の最高傑作集、作品76(6曲集)の第4番です。
円熟の境地を聴かせ、数年前のロンドンへの演奏旅行の成功に裏付けられた自信がみなぎります。
《日の出》のタイトルは第1楽章 冒頭の朝日が昇っていく様を連想させる部分により、さらにはその後も一日が始まっていくような躍動感と生命感に溢れます。
第2楽章(動画8分19秒~)に要注目!秘めた想いが静かに溢れ出るように語られ、濃厚な抒情の表出は次のロマン派、ベートーヴェンの時代到来を予見しています。
ハイドンらしいチャーミングとユーモアが満載第3楽章(13分32秒~)。
意外な第4楽章(17分44秒~)!ハイドンの終楽章は走り抜けるような高潔な推進が常套ですが、穏やかで優雅なのです。
ですが、終結部ではアクセル全開であっぱれな幕。
そして、この曲集の翌年、弟子である楽聖が人生最初の弦楽四重奏曲を書き上げます。
それが2曲目でございます。
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