F.P.シューベルト 弦楽四重奏曲第13番イ短調 D 804《ロザムンデ》

本日より、当夜の上演曲を紹介していきます。


まずは

F.P.シューベルト

弦楽四重奏曲第13番イ短調 D 804《ロザムンデ》


こちらがその動画です。


ベートーヴェンとシューベルトは、18世紀末から19世紀初めのウィーンに生きました。

ベートーヴェンが上流階級層に支えられていた一方、シューベルトは自身と同じ市民階級層と繋がりを持つという対照的な環境にあったのです。

1827年、亡くなる直前のベートーヴェンをシューベルトが見舞ったことが、最初で最後の出会いとなったと言われています。

しかし、一説によれば、その3年前の1824年、弦楽四重奏を通して、間接的であるが、二人は深く繋がったとされるのです。

それが、シューベルトが27歳、亡くなる4年前に生み出したこの《ロザムンデ》です。



タイトルは、前年に作曲された劇付随音楽《キプロスの女王 ロザムンデ》の間奏曲 第3番の主題を第2楽章に引用したことによります。

美しい旋律が泉のように溢れ出る憂愁な音楽で、シューベルトならではであります。

しかし、その美しいオブラートに包まれた彼の辛苦、叫び、狂気の兆しが見え隠れするのところに着目(耳?)してください。


死因となる病気の進行、

上流階級の女性との結ばれない恋、

窮乏、

作曲家としては社会的に芳しい評価が得られず・・・

そうした難儀がてんこ盛りでした。


一方で、創作の霊感はどんどん降りてきて、ミサ曲第5番、《未完成》交響曲、《アルペジョオーネ・ソナタ》、歌曲集《美しき水車小屋の娘》など多数の秀作を生み出します。

実生活と才能のアンバランス、そして、病気の急激な進行によって、精神は次第に蝕まれていったのです。



現実逃避。

《ロザムンデ》にはそれを強く感じさせられます。

この投稿からこの曲がこれまでと違って感じてくだされば幸いです。


そして、生きることが難しい現代の私たちに強く共鳴するのでは?


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