当会のために創作された弦楽四重奏曲
クァルテット・エクセルシオのオリジナル・レパートリーに、この室内楽定期演奏会で上演するために創作された楽曲があります。
「なぬ?」と驚かれる方も多いことでしょう。
故 幸松肇さん編曲による
弦楽四重奏のための日本民謡※ 第4集の終曲 「黒田節」
です。
※この日本民謡集について、音楽ジャーナリストの渡辺和さんはこう評されています.。
「民謡編曲」というよりも「弦楽四重奏という媒体をよく知っている作曲家が民謡素材をテーマにした弦楽四重奏曲.。
江戸時代、直方市は黒田長政を藩主とする福岡藩の領地で、長政の四男の高政によって福岡藩から分封されて東蓮寺藩(後に直方藩に改名)となった歴史があります。
ご当地弦楽四重奏作品です。
それもクァルテット・エクセルシオのレパートリーのためのもの。
光栄なことです。
さて、この曲を巡っての偶然が2つあり、それに驚かされています。
一つ目は
クァルテット・エクセルシオが16年間、直方で演奏を重ねてきた会場、直方谷尾美術館が位置する町についてです。
先の福岡藩から分封されて一つの藩だった時代、直方谷尾美術館周辺は武家屋敷が建ち並んでいた地域だったのです。
それゆえに、この町は「殿町」と名付けられました。
二つ目は
先月31日の第60回定期演奏会に、 クァルテット・エクセルシオの第2ヴァイオリン客演で来てくださった粟津惇さんです。
何と弦楽四重奏のための日本民謡集の編曲者 幸松肇さんと縁ある方です。
粟津さんの夫人の父上がかつて幸松肇さんと弦楽四重奏をご一緒にされていて、そうした縁から、粟津さんが夫人と組織している弦楽四重奏団、Ensemble Rossoは、弦楽四重奏のための日本民謡集の全曲演奏をシリーズで開催しているのです。
今回、黒田節と直方、直方谷尾美術館と殿町の関連などを知らずに直方に足を降ろされた粟津さん。
まるで呼び寄せられたように…。
そして、空の上の幸松肇さんが、
室内楽定期演奏会では未演の黒田節を はよ上演しなさい!と
私の背中を押すために企てたようでもあります。
偶数は必然と申しますが、感慨深い気持ちになりました。
なお幸松肇さんは
ウィーンの弦楽四重奏団200年史
世界の弦楽四重奏団とそのレコード 第1~6巻
をはじめとする、弦楽四重奏のための有意義な著書を残されております。
弦楽四重奏&室内楽愛好家の方々に推しでございます!
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