L.v.ベートーヴェン ピアノ三重奏曲 第4番 変ロ長調 作品11 「街の歌」

 バロックから私たちの時代の楽曲で祝うベートーヴェン250歳 10夜のオマージュ「第2夜」の1曲目は、ベートーヴェンが27歳の時に書いた夜会を盛り上げるための楽曲をお楽しみいただきます。


 L.v.ベートーヴェン ピアノ三重奏曲 第4番 変ロ長調 作品11 「街の歌」

こちらがその動画ですが、厳格なベート―ヴェンが商業音楽を?と思われるかも。

 ウィーンに進出する21歳以前の故郷ボン時代、およびそれ以降の数年ほど、数多くの娯楽音楽を残しています。

 最初の弦楽四重奏曲集 作品18を生み出す数年前です。

 すでにウィーンにて成功を着々と重ねていましたが、新進であるから依頼があれば応えないわけにはいかないでしょう。

 娯楽音楽ゆえに野心的な作風ではありませんが、普段着のベートーヴェンに会えましょう。

 なおこの三重奏曲はクラリネット奏者ヨーゼフ・ベールによる依頼と考えられています。

第1楽章 冒頭の総奏で夜会のスタートがにぎやかに告げられた後、繊細な雰囲気に変わり、ムードを演出。進むにつれ華々しさが増し、宴を盛り上げていきます。「さあ呑もう!食おう!語ろう!踊ろう!」

第2楽章チェロが流麗な主題を語り、「とろけてしまいそう」な楽想が広がります。夜会は男女の出会いの場でもありました。このような麗しい音楽がBGMで流れれば、意中の人との距離は容易に縮まりましょう。

第3楽章 タイトルの「街の歌」の由縁となった楽章です。「街の歌」は流行歌の意で、当時人気を博していたオペラのアリアなどが街の居酒屋などで歌われていました。この三重奏曲が作曲された前年に、ヨーゼフ・ワイゲルの歌劇「船乗りの恋、あるいは海賊」がウィーン初演され、ブレイクしていたのです。その中のアリアを採用したのは、聴衆を喜び沸かせようという依頼者の粋なはからいでしょう。

 主題からして快活でコミカル。続く9つの変奏曲では、ベートーヴェンの妙技が光ります。3楽器の会話や緩急の扱いが見事で、華麗、高揚、繊細、ユーモアな雰囲気が巧み切り替わり、宴を佳境へと導いていくきます。

 会場が美術館ですから、ワインを呑みながら聴けないのが残念(涙)。

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