リゲティ G. 無伴奏チェロ・ソナタ

これまで紹介してきました曲は、チェリストの歴史をお伝えすることを考えて、演奏順とは異なりますことをお許しください。

 さて、20世紀の作品が1曲上演されます。  

 この曲が、当夜の構成全体をとてもよく引き締めてくれましょう。

 リゲティ G. 無伴奏チェロ・ソナタ

こちらがその動画です。

 リゲティはハンガリーに生まれましたが、音楽の発展から取り残された社会主義の自国に見切りを付けて、1956年のハンガリー動乱の際にウィーンへ亡命します。

 その後、ケルンへ移り、そこで西側の音楽の手法に触れ、自分のスタイルを確立し、20世紀の前衛音楽のリードする重鎮となったのです。

 彼の亡命以前の作品は出版・上演される機会は少ないのですが、この無伴奏チェロ・ソナタは例外の一つです。

 そして、とても明解なことに驚かされます。

 曲は2つの楽章からなり、第1楽章<対話>は彼が音楽院時代に恋心を寄せていたチェロ専攻の女性に捧げられた曲が原曲と言われています。

 一方で5年後に書かれた第2楽章<カプリッチョ>は満載の技巧で、まるで自国の体制への鬱屈を吐き出しているかのようです。

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