日経新聞コラム2022.5.26【タレイア・クァルテット】
日経新聞5月26日九州版に掲載されたかんまーむじーく のおがた代表の渡辺伸治氏の原稿です。
8日にご出演いただいたタレイア・クァルテットへのエール、弦楽四重奏への愛を綴りました。
東京や京阪神などの大都心で活動を継続している第一線の弦楽四重奏団に、九州出身の音楽家が所属することは稀有な事です。
9月のARDミュンヘン国際コンクールに向けての健闘を祈るばかりです。
そして、5月10日の投稿に綴りましたよう、弦楽四重奏はけしてマニアや通向けの特殊な音楽ではなく、シンプルで基本的な献立による御膳、それも《滋養のある食》であることをお伝えいたします。
しかし、福岡市・北九州市はもちろん、九州ではこの御膳を定期的に食する機会が長く閉ざされているのです。
当然、食する人(オーディエンス)、料理人(演奏家)、食事処経営者(ホール関係者、演奏会主催者)が脆弱となってしまいます。
最大の危機は、音楽振興の当事者(ホール関係者、演奏会主催者、演奏家)の多くが、この現状に気付いていないことにあります。
日本のクラシック音楽の第一の課題は聴衆の拡充にあると、私が若いころから叫ばれてきました。
その根本解決は、《音楽振興に携わる人材の育成を省みる》ことではないでしょうか?
0コメント