【レビュー③】第38回直方谷尾美術館室内楽定期演奏会
さて、アンケート紹介の第二弾です。
♪未来への先見性を秘めたハイドン、若々しいベートーヴェンの魅力、そして、シューベルトの《死と乙女》。個々の曲の美しさを感じさせていただくとともに、《弦楽四重奏》のジャンル自体の持つ素晴らしさに浸らせていただきました何ものにも代えがたい夕べでした。これもクァルテット・エクセルシオの方々が長年積み重ねてきた年月のなせる瞬間なのでしょうね。そう思って聴かせていただきました。
>渡辺:
毎回、敬虔深いお言葉をありがとうございます。前々回の投稿に書きましたよう、当夜の何ものにも代えがたい喜びはクァルテット・エクセルシオによるものだけではなく、彼らを、設立以来、支えてきた後援者の方々の賜物でもあるのです。
♪ハイドン、ベートーヴェン、シューベルトと弦楽四重奏の歴史の流れを感じることができたように思えます。私の最初に購入したレコードがハイドンの《セレナード》でしたので、ハイドンの調べ、響きには特に堪能しました。
>渡辺:
当夜の趣旨を汲み取っていただき、さらにハイドンの作品20-4を堪能してくださるとは、大変な目利きの方でございます。しかし、ハイドンの《セレナード》は20世紀後半の研究でハイドン作ではないことが明らかになっており、これについては何とコメントして良いやら…。( ̄▽ ̄;)
♪ハイドンの曲は軽快で本当に気持ち良く聴くことができました。ベートーヴェンがまた好きになりました。若いころのベートーヴェンは元気で意欲的で楽しく感じました。シューベルトは素晴らしい演奏でした。私は2回目のエクセルシオでしたが、感服しました。
>渡辺:
ベートーヴェンの作品18-5の天真爛漫さに、多くの方々から大好評のお言葉を頂戴いたしました!
♪素晴らしい演奏会をありがとうございました。シューベルトの第2楽章は物語を語っているようで圧巻でした。内声の三連符にしびれました。
>渡辺:
《歌曲の王》、シューベルトにとって、歌曲の音楽部分はその詩内容を相乗させるように創作しています。それゆえに、詩が無い弦楽四重奏曲においても、自然に詩的・物語的な内容を感じさせる音楽となるのでしょう。最晩年に降りかかった数多くの辛苦の中、音楽に邁進する力は衰えなかった。奇しくも同じ時代に同じウィーンに生きたベートーヴェンと全く同じです。
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