L.v.ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第15番イ短調 作品132
今日の紹介は、当夜の終曲、
L.v.ベートーヴェン
弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 作品132
です。
こちらがその動画です。
シューベルトの《ロザムンデ》が完成&初演された翌年の1825年に世に送りだされました。
楽聖が亡くなる2年前の作です。
シューベルトと同様、このころのベートーヴェンも多くの難儀を抱え、その一つである腸の持病が悪化!
生死の境を彷徨うまでに…。
実生活は、前年1824年に初演した《第九》交響曲の「歓喜に寄す」とはほど遠かったのでした。
奇跡的に生還し、中断していた第15番の創作を再開。
その感謝を第3楽章に綴り、神に捧げました。
とても敬虔深く、
前回上演(2020年)では、オーディエンスの多くがこの第3楽章で声を堪えて泣いていました。
それが記憶に鮮やかに焼き付いています。
ところで、終楽章の始まりのメランコリックな主題は、本来、《第九》の第4楽章に使われる予定だったもの。
そう、《第九》は合唱付ではなく、器楽作品として構想されていたのでした。
そして、この楽章の高揚が頂上に達した後、終結部に入るせつな、チェロによる天使の歌が降りて来ます。
これはベートーヴェンによる旋律で最も美しいものの一つ。
ここでも、泣いていただきます!
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