M.タイチェヴィチ 7つのバルカン舞曲

 バロックから私たちの時代の楽曲で祝うベートーヴェン250歳 10夜のオマージュ「第2夜」の3曲目は知られざる20世紀前半のクロアチア出身の作曲家、マルコ・タイチェヴィチの作品です。

M.タイチェヴィチ 7つのバルカン舞曲

こちらがその動画です。


 マルコ・タイチェヴィチは1900年に南東ヨーロッパのバルカン半島に位置するクロアチアのオシエクに生まれました。

 その首都ザグレブ、プラハ、ウィーンで学び、ザグレフにて音楽活動をスタートします。

 その後クロアチアと東に接するセルビアの首都ベオグラードに拠点を移したました。

 教育者や批評家でもあり、音楽理論や音楽学などの著書を残しています。

 タイチェヴィチが生涯に残したのは54曲で、けして多作家ではありません。

 多くはピアノ曲、そして小品で、小品にこそタイチェヴィチの魅力が輝いています。

 楽想はバルカン半島、特に旧ユーゴスラビアの民俗音楽から霊感を得たもので、民族の魂や生活を生き生きと描き、神秘性や瞑想性を併せ持ちます。

 代表作品である「7つのバルカン舞曲」はそれらの象徴と言えましょう。

 オリジナルはピアノ曲で、様々な編曲版があり、当夜はピアノ、クラリネット、チェロで演奏します。

 クロアチアはハンガリーと北に接し、タイチェヴィチの作品のリズムと郷愁・哀愁を帯びた旋律はハンガリーのバルトークを思わせます。

 両国ともにアジアよりであることから、私たち日本人の琴線に強く触れるのです。

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