R.シューマン 弦楽四重奏曲 第1番 イ短調 作品41₋1
バロックから私たちの時代の楽曲で祝うベートーヴェン250歳 10夜のオマージュ「第3夜」、2曲目はベートーヴェンの40歳下のシューマン。
R.シューマン
弦楽四重奏曲 第1番 イ短調 作品41₋1
「シューマン32歳。闘いに疲れた戦士の心の吐き出しとは?」
まず、こちらがその動画です。
ベートーヴェンの40歳下のシューマンは、同年代のメンデルスゾーンとともに、ベートーヴェンとシューベルトが築いたロマン主義(感情や主観の表現に重きを置いた音楽)の後継者です。
ベートーヴェンの巨大な弦楽四重奏曲を前に、誰もがこの分野の創作には慎重で、シューマンも試作を繰り返していました。
しかしクララとの結婚を機に創作の興隆期が訪れます。
それまではピアノ曲が主でありました、歌曲、オーケストラ作品、室内楽へと広がり、いよいよ弦楽四重奏曲を手掛けることに。
やはり女性の力は素晴らしいです。
ベートーヴェンの後期四重奏曲の研究を重ね、わずか2か月の間に3曲集を完成しました。
後にも先にもシューマンの四重奏曲はこの3曲のみとなり、ロマン派のこの分野の最高傑作として名高くあります。
今宵の第1番は処女作ゆえの憧れやきめきに溢れる一方で、混沌や嘆きの吐き出しも聴こえてきます。
次々と生み出す秀作、しかし収入はそれに見合わずに、家族を養っていく重圧を抱え、翌年から鬱病に陥ったのです。
さらにはクララとの結婚は彼女の父親に猛反対され、裁判にまで及び、シューマンを厳しく追いつめました。
曲全体に吐露されたの彼の喜怒哀楽は芸術家だけでのものではなく、私たちの人生にも共鳴しましょう。
<おまけ>別の演奏でもお楽しみください。
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