F.クライスラー ルイ13世の歌とパヴァーヌ
バロックから私たちの時代の楽曲で祝うベートーヴェン250歳 10夜のオマージュ「第5夜」、まずは1曲目。
こちらがその動画です。
「愛の悲しみ」や「美しきロスマリン」などでおなじみのヴァイオリンの名匠、クイスラー。
彼は埋もれた作品を発掘し、その旋律や作風を引用して、その作曲家の知られざる作品と偽って数多くを出版したのでした(!)。
クライスラーには悪意は無く、作曲者名に自分の名前を冠するよりも多くの人が弾いてくれると考えたのです。
しかしそれは全くの杞憂に終わり、その後これら作品は世界中のヴァイオリニストによって愛奏されてきました。
この曲もその一つで、フランスのバロックの大家フランソワ・クープランによるもの。
シャンソン(歌)の憂愁が古風な雰囲気を醸し、続いてのパヴァーヌの快活さで清涼感に満たしてくれる愛すべき小品です。
以前に木越洋さんの演奏でクライスラーの小品を聴きました。
木越さんのヴィブラートとポルタメントはとてもカザルス的で、それがクライスラーの楽曲のアンティークな雰囲気にとても合っていたのが印象的でした。
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