D.ヒース《オン・ファイア》
【5つの名作でベートーヴェンの生涯を綴る!】
今日は当夜の中核の曲を紹介します。
D.ヒース 《オン・ファイア》
こちらがその動画です。
《絶望》
ベートーヴェンは、31歳の時に、遺書を書きました。それには、進行する難聴への絶望、芸術に邁進することでそれを克服する決心が綴られていたのです。
ベートーヴェンの絶望を、多発硬化症で夭折したイギリスの天才チェリスト、ジャクリーヌ・デュプレのそれとを音楽で重ねてみます。
この曲は、デュプレが過酷な運命と向き合った精神の物語です。病魔に侵されていく恐怖と絶望、嘆きと葛藤、運命と向き合う強い意志、悟りを開いたような諦観が、往年のデュ・プレを彷彿するような情熱的な音楽で描かれ、魂を揺さぶられます。
ディヴ・ヒース、馴染みのない作曲家と思います。
イギリスの作曲家、フルート奏者です。
80年代に初め、ヒースはある演奏会で車椅子に座ったデュ・プレと遭遇します。
その偉大な存在感に圧倒され、霊感を得たヒースは、この《オン・ファイア》を書き上げたのです。
感動的な作品でありながら、日本では演奏機会が極めて稀少ですので、ぜひ。
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