B.ブリテン チェロ・ソナタ ハ長調

 2曲目のブリテンのソナタを紹介いたします。

 反戦争のメッセージが秘められていると考えられる、この作品を8月9日に上演することになりました。

 こちらがその動画 です。 

  

 ブリテンは20世紀のイギリスを代表する作曲家で、彼の音楽を耳にしたことがなくても代表作の《青少年の管弦楽入門》というタイトルはご存じではないでしょうか?

 さらには指揮者、ピアニストとしても素晴らしい腕前を振るいました。

 ブリテンは、ロシアのチェロの巨匠、ロストロポーヴィチがショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番をロンドンにて西側初演した際に立ち合い、それがきっかけで二人の親交が始まりました。

 ブリテンは、5つのチェロ作品をロストロポーヴィチのために書き下ろし、献呈したのです。 

 当夜のチェロ・ソナタはその第1作にあたります。

 この曲と同年に、ブリテンの最重要作品の一つ、《戦争レクイエム》が作曲されました。ブリテンはこの曲に第2次世界大戦による全世界の戦争犠牲者への追悼、戦争の不条理さ、世界平和の祈念を託しました。

 チェロ・ソナタにもそれらが宿されていると考えられ、奏でられる抑圧された沈静な心の叫びは戦争への脅威、焦燥、懐疑ではないでしょうか?

 当夜は長崎に原爆が投下された日です。

 そして、前後に広島投下の日と終戦の日があります。

 この曲を体感することで、戦争や争いを顧みる機会となることを願います。

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