ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第4番 ハ短調 作品18₋4

 バロックから私たちの時代の楽曲で祝うベートーヴェン250歳 10夜のオマージュ「第3夜」の2曲目。

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 第4番 ハ短調 作品18₋4


サブ・タイトルの「ベートーヴェン29歳、成功の影にあった耳の疾患と孤独の苦しみとは?」の意味を考えながら、まずは、動画をどうそ!

  この曲は、29歳の時に完成された最初の弦楽四重奏曲集 の1曲です。

 ベートーヴェンは21歳の時に故郷ボンから憧れのウィーンに移り、様々な器楽曲に取り組んできました。

 しかしベートーヴェンでしたが、弦楽四重奏曲の創作にはとても慎重。

 パトロンの一人であるリヒノフスキー候のサロンにて師ハイドンの楽曲に接し、その技法を直に掴み取っていたほどです。

 作品18はそうした労作で、また同時期に交響曲第1番などの大作を次々と生み出し、時代の寵児となりつつありました。

 第4番は6曲中、最後に作曲されたものです。

 他の5曲は晴朗でしなやかな楽想で書かれていますが、この曲は激情や溢れ出る美しい情緒など、ベートーヴェンならではの音楽の萌芽を聴かせてくれます。

 また彼にとっての特別な調性、「運命」交響曲と同じハ短調で書かれたことも大きいでしょう。

 ところが成功を手中に収める一方で、耳の疾患が急激に進行していたのです。

 音楽家にとっては致命傷!

 またこのころに生涯を通じての理解者となった女性たちと出会います。

 故郷には幼馴染の女性もいました。

 恋バナ多くきベートーヴェン。

 暗い少年時代を送った彼は家庭愛を求めていましたが、身分の違いで結婚を諦めるしかなかったのです。


「ベートーヴェン29歳、成功の影にあった耳の疾患と孤独の苦しみとは?」

 第1楽章は憂いと激情が交錯し疾風迅雷!

 孤独や不安を気まぐれでごまかす第2楽章。 

 第3楽章では救いと希望を求め、終楽章でつきまとう不安を振り払おうともがくけれど、諦めで幕。


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